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掌編小説集 「魔法の速度」

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”こうして長い間生きていて、いったい自分は何をするために生き続けているのだろうと彼女は思った。あの悪魔達のがなるような集会に定期的に参加して、かたや人の悩みも聞いて、そんな彼女にしか課されていない正反対の請負に務めているために生きているのだろうか。彼女は実際の彼女が日頃行っていることと生きている状態は全く関連のないようなものな気がした。時々、集会をさぼって、人の住まいに訪問するのを止めて小屋の中で本を読んだり、木の実を磨り潰して飲むのもわるくないと思った。長く生きていてもその生きている肉体一つ一つに精神性が宿り、その精神性が生きている愉しみを生き物ごとに違わせている気がした”(幕間Ⅱ)



ファンタジーの世界を舞台に魔女と豹の関わりを描いた表題作のシリーズの他、
純文学要素の掌編も加えた作品集です。
※こちらに詩は入っておりません

豹と魔女シリーズの全文試し読みはこちら。

https://ncode.syosetu.com/s2758d/


収録掌編

「私の部屋」・・・海外で出張に行っている彼氏を待つ彼女とその出会い

「風を掻き分けて」・・・転勤で上空を飛行機がよく通るところで過ごすようになった男の話

「ただいま」・・・仕事で疲れて眠るとアフリカで医療ボランティアに従事していた男の話

「もろこし」・・・地元の祭りでトウモロコシを焼くことになって祖父の畑にトウモロコシを取りに行く

「国道沿い」・・・並木道を歩いていると、その銀杏の木の姿に放心する。ホラー映画を観てたらゆめのなかでそのシーンが再現される

「古い屋敷」・・・息子を失った若き夫婦の話

「薄汚れた沼」・・・賑やかな場から光に導かれるままに出会った家族の話

「階段」・・・階段をひたすら人が昇っている話

「始まるまで」・・・映画の上映時間の前に男は平行世界の自分に電話をする

「足元」・・・生きることを知り尽くしたので死の世界を知りたくなったムカデとその友達、取り巻く動物の話

「薄い月明りの下で」・・・孤独な狼と孤独な亀が出会う話

「悪夢」・・・まっしろな世界に男が迷い込む、そこでは色々な役人が世界のために仕事をしていた

「火山に棲む竜」・・・火山の中で一頭で暮らす竜の話

「天上」・・・コックに料理されるイワシの話

魔女と豹シリーズ

「魔法の速度」・・・魔女と豹の出会い

「幕間」・・・走り回る豹の話

「魔女と子供」・・・魔女と掠われる子供の話

「約束」・・・豹と咥えて教会に連れられた男の話

「幕間Ⅱ」・・・自宅で自分の宿命を見つめる魔女の話

「リグレット」・・・村の子供のために助けに行く魔女と豹の話


筆者自身はこちらが二度目のシリーズ小説というのを作ってみました。
幻想的な世界に息している生き物も悩み苦しみ生きている様が誰かに共感できたら有難いなと思います。

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