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掌編小説集 「太陽が近かったなんて」

¥440 税込

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”どれだけの人がどういう理由で認知されて、どのくらいの人がどのくらいの人に知られることだろうか、それでも未だに、つらい出来事は起こり、彼にも彼から近い人にも彼とは全く関係のない人にも降ってくる。溶岩が流れて落ちてくるように。だから、現実が大事だったりする、この通勤電車の中に僅かな愛しさが潜んでいる気がする。時代には未練がない気がするのに、その時代で変哲もなく生きていたことが大事なことだったりする。綺麗なことを苦しみの渦中にいる人に伝えたところで更に苦しめるくらいだけど、生きていることは綺麗なことではない。そうでないことも一緒に持ったまま生きている” (通勤電車)


今回は巻末に著者が敬意を抱いた文学者一覧を載せております。

大切な人に向けて書いた話が多く収録されたのと、表題作に似合った素敵な表紙を印刷会社が作ってくださり、大変感慨深い作品となりました。

また、テーマカラーとして夕日のオレンジ、青空のブルーなど関連する話が多数入っています。小説家になろうで載せていた乗り物シリーズと題した恋愛ものの掌編も数多く入っております。全部で21編の掌編小説です。


幾つかの作品は立ち読みできます。

小説家になろう版

https://ncode.syosetu.com/s1096f/


収録掌編一覧

「太陽が近かったなんて」・・・地上で暮らすことが困難となったなか太陽を見つめて離れた妻を思い出す男の話

「空ピアノ」・・・自分の実体がよくわからなくなった男の休日

「遥かなブルー」・・・大学教授で研究に気力のない教授とそのゼミ生の関係

「空が守っている」・・・存在する苦しさを吐露する影の話

「桜の眩しさ」・・・男の家族の回想と現実の取り残された男の話

「オレンジ」・・・時計台から日課でパトロールするコウモリの話

「黄昏ゴブリン」・・・一族の役目を辞めて、日々の仕事で家庭を大事にしたがるゴブリンの話

「ルーダと七面鳥」・・・逃げた七面鳥を偶然見つけた少年の話

「神様が語り掛けたこと」・・・自殺を望むイノシシの話、しかし彼は狙われていることに恐怖を抱く

「赤いネクタイ」・・・仕事の過労で逃避したくなった男と彼を止めた通行人の話

「灯」・・・死を止めなかった対話

「打ち上げ花火」・・・好きな彼女が去ることを止められなかった彼の片思い

「デッドワールド」・・・公園で小さな霊に出会う男の話

「ノクターン」・・・夜に思う思考の数々

「けふけふ」・・・祖母と一緒に暮らす孫の話

「一輪車」・・・コンビニでホームレスに話しかけられたOLの話

「自転車」・・・室内プールの駐輪場で話した男女の話

「通勤電車」・・・朝の混み合う電車のなかで男が思ったこと

「新幹線」・・・遠距離恋愛をしながら互いを思う恋人の話

「二人が眠るまで」・・・パーティー会場で二人きりの時間を過ごす若い夫婦の話

「春風を忍び」・・・風が強い中、家で引きこもる男の思考

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